Radfahrers Nachtlied

ドイツの自転車競技選手・アンドレアス・クレーデンを中心とした自転車ロードレースと、極々たま~にクラシック音楽やその他のテーマに関する雑文

いざツールへ…

ツール・ド・スイス最終日の夜は、その実況中継が始まる前にツール・ド・フランス100会大会記念のドキュメンタリー番組の後編が放送されていましたね。
あれを観ると、日本ではかつて「アホの子」等という失礼極まりない蔑称で嘲笑されることさえあったヴォクレールが、欧米ではアンクティルやイノーと同列に語られるような、たいへん偉大な選手として認識されていることが分かります。日本でも近年は彼を「アホ」という失礼極まりない蔑称ではなく、「社長」という敬称で呼ぶ人が増えているようですが、それだけ日本のファンも観る目が肥えてきたということであり、これは大変結構なことなのではないでしょうか。

さて、肝心のスイス最終日、総合順位の下位の方でのんびりやっている我らがクレーディのことですから、放送開始時にはとっくに走り終えてシャワー後のビールをグイッと一杯やっているのではないか(いやそれはない)、その時点で暫定トップタイムを叩き出しているのではないか?と思っていたので、放送開始直後に実況のサッシャさんが「現在の暫定トップはダリル・インピーです」と言った時点で「ああ、今日ものんびり調整か」と思いましたが、その直後にゴール前に出現。予想通り暫定トップタイムを叩き出したのでした…。

これは…後続選手たちがクレーディのタイムを破れない度に表彰台の玉座に座したもう我らがクレーディが「フハハハハハハ!」と微笑む、そして遂に区間優勝確定となった瞬間には後ろに控えたアンディとカンチェラーラが竿に下げられた小さな薬玉を割る、そんな日になるのではないか??
と、わたくしは生ぬるく胸を高鳴らせたのです。

現在の本職がパンチャーでありスプリンターであるサガンにあっさりトップタイムを更新され、その後もタイム更新オンパレードになったことは皆様もご存知の通り…


さてさて、発表されたラヂオ軍のツール・ド・フランス出走メンバーにはしっかりと我らがクレーディの名がありました。まあ、数年前なら「目指せ総合優勝!!!」とか書くところですが、さすがにもう歳ですから(今月22日は誕生日でさらに歳が一つ増えます。…とはいえ私よりは若いんですが)それは無いかな、と思います。でも、総合一桁を目指してほしいですね。逃げを打つとかではなく、山岳ステージの人数のしぼられたメイン集団の中でなるべく多く画面に映ってほしい、というのが願いです。


ところで、Cyclingtimeのこの記事、一体何なんでしょうか?USADAがランスの成績剥奪を宣言した時、主観100%のランス擁護記事を連発した頃からCyclingtimeさんのジャーナリズムとしての信頼性は個人的に暴落しましたが、この記事を読んだときには、Cyclingtimeさんは自転車ジャーナリズム界のボーガスニュースを目指しているのか?と錯覚しました。ボーガスニュースはネタとしてやってるわけですから良いのですが、まじめに書いた文章がこの文体って…?

私は、アンディがツール・ド・フランスでどういう走りをするのかは全く未知数だと思ってます。途中リタイアかもしれません。下位に低迷しつつ完走するかもしれません。総合一桁の好走をするかもしれません。しかし場合によってはフルームやホアキンを倒して総合優勝する可能性もゼロではないと思っています。彼の今シーズンの今までの成績の出し方は、見方によっては絶不調、あるいはもう終わっている、とも取れますが、真の力を隠し続けてライバル達の目を欺いているようにも見える不気味なリザルトです。この辺り、ルカ新監督に何か戦略があるのか?(あるいは全くないのか?)興味深いですね…