Radfahrers Nachtlied

ドイツの自転車競技選手・アンドレアス・クレーデンを中心とした自転車ロードレースと、極々たま~にクラシック音楽やその他のテーマに関する雑文

ツール第4区終了

ツール・ド・フランス第4区、新城選手の敢闘賞獲得で日本中(の自転車ロードレースファン)が大いに涌いたようですね。
日本人初の表彰台に私くしも感動させて頂きました。素晴らしい走りを見せてくれてありがとう、という思いです。

ただ、日本人はまだプロツアー→ワールドカレンダー→ワールドツアーなどなど色々名称を変えて続いてきた最高カテゴリーのレースでまだ誰も1勝をあげていないのです。単純に球技と比較できませんが、これってサッカーに例えれば、ヨーロッパの1部リーグで日本選手がまだ誰も得点を挙げていないのと同じようなもの、とも言えるのではないでしょうか。
もちろん、ワールドツアーのレースと言っても、伝統や格式、競技レベルには差があります。ツール・ド・フランスの敢闘賞と、カタルーニャ1周のステージ優勝ではどちらが価値があるのか?と言った議論もあるでしょう。しかし、日本選手はそういったヨーロッパのワールドツアーのレースのうち、最も地味でレベルもやや低いと思われるレースでも未だ1勝もあげていない事を考えれば、勝利をあげることがいかに難しいか解ると思います。
それでいて、たとえばグランツールの後半、山岳ステージの合間にあるような繋ぎのステージで、総合上位陣が疲れていてお休みモードで逃げ容認のステージで区間優勝した選手の名前を日本人はどこまで憶えているでしょうか?

世界的に見れば日本選手はまだそういうレベルなんじゃないでしょうかね…。
だからこそ、本当に歴史が動くのは、日本選手がヨーロッパの一流レースで1勝を上げた時だと思います。(ワールドツアーといってもツアー・オブ・北京とか今年から始まるらしいツアー・オブ・杭州は別です。ヨーロッパのメインシーズンが終わった後にはるか遠く離れた東アジアで行われるこれらのレースよりは、ヨーロッパツアーHCのレースの方が実質的な格は上でしょう。)

ところで、新城選手の走りを見てカンチェラーラが「カミカゼ」と言ったそうですが…
特攻を国に命を捧げた誇り高い行為と見るか、国家のために国民の命を無駄にした愚かな行為と見るか…
私は後者なので実に微妙な印象ですね。
ツイッター#jspocycleをみると「カミカゼ」を素直に賞賛と捉えて単純に喜んでいるような反応もありますが、新城選手が電話インタビューでこれについて「悪気はないと思うんですが…」と語っていたところを見ると、石垣島出身ということもあり、彼としてもやはり微妙な印象を持ったのではないでしょうか。(あくまで個人的憶測です)


さて、我らがクレーデンですが、ゴール前で落車のあった第3、第4ステージ共々、かなり高い順位でゴールしており、ゴール付近の様子を録画で確認してみるといずれも落車に巻き込まれていないことがわかります。これは、それだけゴール前では先頭に近い位置におり、危険回避にも優れた反応を示しているということ、つまり、モチベーションも高く体調も良好ということです。(いや、単に運がよかっただけかもしれませんが…)ますます今後にむけて期待が高まります♪

とはいえ、最初の本格山岳頂上ゴールである第7ステージでいきなり総合優勝争いから脱落、と言う事態も可能性はゼロではないので、あまり高く期待を持ちすぎないよう気をつけたいと思います…